その背景にはやはり、日本の水道水の水質が低下してきたことが挙げられます。
日本の水道水は、高度成長とともに環境汚染により水質が低下した結果、消毒のための塩素処理がより多く必要とされるようになり、まずカルキ臭いなど味がおかしくなってきました。
また、塩素処理によって水に含まれる有機物と塩素が反応し、肝障害や腎障害など人間の体に悪影響を及ぼし発癌性があると言われるトリハロメタンが発生するという健康被害リスクの研究が発表されて、消費者の水道水に対する健康の不安がさらに高まりました。
そうした背景から健康のために安全、安心な水道水に替わるものが必要とされ、その対処法として、1つは浄水器の設置へ、そしてもう1つがミネラルウォーターの飲用へと急速に進んでいったのです。
さらに地球環境温暖化によって年々記録的な猛暑が続いていることもミネラルウォーターが普及する後押しをしています。
ミネラルウォーターの需要が増えるとともに、健康に対する安全面だけでなく、抗酸化作用など健康を増進させるといった付加価値を付けたミネラルウォーターが開発され、海洋深層水や酸素水、炭酸水などそれぞれ機能性を追求したミネラルウォーターが商品化されています。
現在では日本の名水のみならず、ヨーロッパを中心に世界各国のミネラルウォーターが海外から輸入されています。